——ノクスとシャドウパピーズ
横たわった魔物を眺めながら、レティアは困った表情を浮かべて呟いた。
「これ、どーしよー? 重そうだし、触るの嫌だなぁ……」 そんなことを考えながらあたりを見回すと、遠くから戦闘音や魔物の威嚇を聞きつけたノクスたちが、じっと見守るようにこちらを見ているのが目に入った。「なんだぁ……ノクスたち来てたんだ!? ほら、仲良く食べなぁー♪」
レティアがにっこり笑顔でそう声をかけると、ノクスたちはようやく動き出し、横たわる魔物のところへ向かっていった。食べ始めるノクスたちを見守るレティアは、ほんのり満足そうな顔を浮かべていた。一方、さっきの獲物の残りを狼の群れが食べ始めたが、それに気づいたノクスのリーダーが低い唸り声を上げた。
「ガルルゥゥゥ……」 リーダーは威嚇をしながら狼たちに詰め寄り、その迫力に怯えた狼たちは草むらの隅に体を寄せ合い、すくむように身を縮めた。「むぅ。めっ! イジワルしちゃダメ!」
慌てて注意すると、ノクスのリーダーは拗ねたように「くぅーん」と小さく鳴き、しょんぼりしながら元の場所に戻っていった。「さぁー食べて、えっと……なんて呼ぼうかなぁ……黒っぽい狼の群れだしぃ……シャドウパピーズかなぁ♪」
そう呟くと、怯えていた狼の群れがレティアの周りに集まり、かわいらしく「わふっ♪」と鳴いた。彼女はその姿に思わず笑みをこぼしながら言った。 「うん。うん。食べてもいーよー♪」半分以上はすでにノクスたちに食べられていたが、それでもまだ十分な量の獲物が残っていた。狼たちは静かに食事を始め、その光景を眺めていたレティアは、少し飽きてきたのか新しい遊びを始めた。
——レティアの新しい試み虹色の剣を手に持ち構えた彼女は、剣を伸ばしたり縮めたり、自由自在に形を変えて振り回してみた。
「うぅーん……あと、弓矢かなぁ。」 剣を弓矢に変えると、今度はそれを構え、近くの木を的に狙いを定めた。 「的は……木でいいかぁ〜」ギギギィーと弓矢を引くと、音もなく矢が放たれ木に当たると小さな音をたてた。
『パシュッ』
無音で放たれた虹色の矢は、まるで猟や隠密行動に最適な道具のようだった。その特性に気づいたレティアは、わくわくした気持ちを抑えきれない様子で興奮気味に言った。
「わぁ、これすごーい! 音がしないなんて……びっくりだよぅ。」さらに彼女は空を飛ぶ鳥を狙い、矢を放った。その矢は自動で軌道を修正し、目標にまっすぐ向かっていった。
「わっ、え? あぁ……虹色の能力かぁ♪ てっきりわたしの実力かと思っちゃったよ。練習もせずに当たるわけないよね〜」そう言いながらも苦笑いを浮かべるレティア。その後も彼女は手を空にかざし、小さな虹色の球体を放った。球体は鮮やかに輝きながら空を舞い、次々と鳥に命中した。音もなく放たれるその球体が鳥に当たった瞬間だけ、静かな音が辺りに響く。
『パシュッ、パシュ……ッ』
撃ち抜かれた鳥たちは、羽をゆっくりと広げながら空から落ちていき、地面に到達する時には『パサッ、パサッ』という静かな音を立てた。
「うん。これで人数分の鳥も獲れたねー!」
レティアは満足げな笑顔を浮かべながら、小さな声で嬉しそうに言った。その瞬間、虹色の動物たちが健気に動き出し、せっせと獲れた鳥を運んできた。「わぁ……ありがとー、動物さんたち♪」
彼らが一生懸命働く姿を見て、レティアの顔には自然とまた満面の笑みが浮かんだ。彼女にとって、この穏やかで健気な瞬間が特別な喜びをもたらしていた。 ——ルーシーとの再会、そして深まる絆結構な時間が経っていた。レティアはふとルーシーのことが気になり、気配を探りながら彼女の元へ向かった。草むらで弓矢を構えているルーシーを見つけると、レティアは嬉しそうに笑顔で駆け寄った。
「ルーシー。ノルマは、たっせいしたぁー?」
屈託のない声で問いかけるレティアに、ルーシーはムスッとした表情を浮かべながら答えた。 「レティー、静かにしてよねっ。見て分かるでしょ! まだ、狩りの途中よ。」 厳しい口調だったが、その声にはどこか照れくささが含まれていた。ルーシーは弓を構えながらちらりとレティアを見て、小さくため息をついた後、少し恥ずかしそうに言葉を続けた。
「あ、あと1羽で4人分の夕食になるわよ……別に、あなたに喜んでほしいなんて思ってないけれどね! お世話になるんだし、ご両親の分もと思って……」 顔を背けながら、草むらに視線を向け、獲物を探すふりをしていた。レティアはその言葉を聞いて、ふと自分も鳥を狩っていたことを思い出した。
『あ、わたしも鳥を狩ったんだった……明日の朝食にすれば良いかー♪ わたしは、ラクをして魔法でちょちょいと簡単に狩ったけれど……ルーシーは自分の目と耳、経験と忍耐を使って時間を掛けて獲ってくれたんだもんっ!』 そう考えると、ルーシーの努力がいとおしく思え、レティアはつい感情が高ぶって彼女に抱きついた。「わっ、ば、ばかぁ……狩りの邪魔よっ。邪魔をしにきたの……うぅ……べつに……良いんだけどっ。」
ルーシーは顔を赤らめながらも、恐る恐る片手をレティアの背中に回した。そして、視線を泳がせながらぼそりと言葉を続ける。 「わたし、お姉さんだしね……歳下の子の面倒ぐらい見なきゃね。」「うん。ありがとー。ルーシーお姉ちゃん♪」
レティアが満面の笑顔でお礼を言うと、ルーシーは一瞬嬉しそうな表情を浮かべたが、すぐに驚きの表情に変わった。 「ふんっ。当然よ……。お姉ちゃん……!?」 その言葉に反応して、ルーシーの顔は真っ赤になっていた。「どうしたの? ルーシー顔が真っ赤だよぅ〜?」
レティアは首を傾げながら無邪気に聞いた。「う、うるさいわよっ。獲物が逃げちゃったじゃない……」
ルーシーは拗ねたように呟き、慌てて腕を離した。その仕草がどことなく可愛らしく、レティアはますます嬉しくなった。彼は慎重にレティアの反応を見ながら言葉を選び、丁寧に提案を述べた。「レティア様の負担にならなければ……数頭を残していただいて……収納していただきギルドで食材として買い取りをいたしますけれど……どうでしょうか?」 その言葉には、ジェレミーの優しさと気遣いが込められていた。レティアの機嫌を損なわないよう、彼の言葉はあくまで控えめで慎重だった。 レティアはジェレミーの提案に耳を傾けながら、再び自分が狩った獲物の山を眺めた。そして少しだけ困ったような表情を見せつつ、可愛らしく笑って誤魔化すように答えた。「うん。ちょっと……獲りすぎちゃったねぇ。えへっ♡」 その反応にジェレミーは少し安心したようで、肩の力を抜きながらうっすらと微笑みを浮かべた。一方で、フィオとルーシーもこの光景に少し呆れたように見つめていたが、レティアの無邪気な笑顔に免じて何も言わず静かに見守っていた。♢大量の獲物とギルドの騒ぎ 翌日、レティアは大量の獲物をバッグに詰めてギルドに向かった。ギルドの扉をくぐると、その異様な重さに周りの冒険者たちが好奇の目を向ける。そして、そのバッグからシカ、ウサギ、さらには森でしか見られない珍しい獲物までが次々と引き出される光景に、ギルド職員や冒険者たちがざわつき始める。彼らの間には、驚きの声が響き渡る。「……あの、これは全部一人で仕留めたんですか?」 ギルド職員の一人が目を見開きながらレティアに尋ねた。彼の声は、驚きでわずかに上ずっていた。 レティアはニコニコ笑顔で答える。その笑顔は、何の悪気も感じさせない。「うん♪ みんなでお昼に食べようと思ってたんだけど、さすがに多すぎちゃったから持ってきたの! ギルドで使ってねぇ♡」 その無邪気な声にギルド職員はさらに困惑しながらも感心していた。周囲の冒険者たちはその規格外の活躍に驚きながらも、彼女の能力を改めて認めざるを得ない状況だった。♢料理コンテストの開催
ジェレミーは驚きと感心が入り混じった声を漏らした。彼の表情には、畏敬の念が浮かんでいる。「これほどの魔物を……まるで子犬を追い払うように討伐するとは……。」 フィオも目を見開きながら笑みを浮かべ、少し皮肉を込めて言った。彼女の声には、諦めにも似た感情がにじんでいる。「やっぱり……わたしたちが駆けつけても、わたしたちが邪魔になっちゃいますねー。」 ルーシーは剣を収めながら一息つき、ホッとした顔で呟いた。彼女の肩の力が抜け、安堵の息を漏らす。「ちょっと、あんたねぇ……わたし達の獲物を横取りしないでよね!」 その言葉には若干の不満を含みつつも、心のどこかで助かった安堵感が滲み出ていた。 一方、フィオはルーシーの言葉に対して優しい笑みを浮かべ、そっとレティアの耳元で囁いた。彼女の指先が、レティアの髪を優しくなでる。「そんなに、機嫌を悪くしないで……レティーちゃん。ほんとはね……すごく助かったんだよ。ルーシーの顔を見ればわかるでしょ。ウフフ♪ ありがとね。」 その言葉に、レティアは少し顔を上げたものの、どこかしょんぼりした様子を見せていた。彼女の瞳は、まだ潤んでいるように見える。♢「じゃま!」の一言とレティアの拗ね レティアは影から現れる際に、ルーシーが安堵している様子を感じ取っていた。しかし、戦闘中に放たれた「じゃま!」という言葉にショックを受けていたのだ。その言葉が、彼女の心に深く刺さった。 彼女は座り込み、わざと俯きながら大きな瞳を潤ませてルーシーを見上げる。その瞳には、今にもこぼれ落ちそうな涙が浮かんでいた。「ルーシーに『じゃま!』って言われたぁ……。」 その姿はまるで小さな子どもが拗ねているかのようで、愛らしさが漂っていた。 そんなレティアに可愛らしく訴えられたルーシーは、思わずモジモジしながら目をそらし、恥ずかしそう
♢ルーシー、ジェレミー、フィオの連携討伐 森の奥深く、ルーシー、ジェレミー、そしてフィオの3人は順調に討伐を進めていた。魔物の群れが周囲に潜む中、剣士二人が前線で連携を取り合い、後方のフィオが魔術で支援をすることで見事なチームプレイを展開している。初めての連携にもかかわらず、その動きは手慣れているようで、見ている者には何度も共に戦ってきた仲間のように映った。 ルーシーは素早い身のこなしで魔物の攻撃をかわし、隙を見つけて剣を振り抜く。その剣は一閃で魔物の弱点を捉え、鮮やかに斬り裂いた。彼女はその動きの間もジェレミーの動きを観察し、互いにカバーし合う形で攻撃の隙を補っていた。 ジェレミーはしっかりと剣を構え、魔物の攻撃を受け止めるたびに力強く押し返す。その一撃一撃は訓練を重ねた結果であり、剣の軌跡は鮮やかで正確だ。魔物に囲まれた場面でも冷静に足場を確保し、ルーシーが動けるスペースを作り出していた。 後方のフィオは、魔物の動きを見極めながら身体強化の魔法を唱える。ルーシーとジェレミーの剣が力強く鋭さを増すのは彼女の支援があってこそだった。さらに、彼女は魔物の足元に氷の魔法を放ち、足止めをすることで剣士たちが安全に攻撃を仕掛けられる状況を作り出していた。「ジェレミー! 次、右側の魔物を頼むわ!」 ルーシーが剣を振り抜きながら声を掛ける。「了解です。私が押さえますので、その間に仕留めてください!」 ジェレミーはすぐに魔物の前に立ちはだかり、剣を構えた。 フィオはその様子を見ながら笑顔で声を掛ける。「ふたりとも、強化魔法をかけるよ! これで攻撃がもっと効くはず!」 ルーシーが笑いながら応じた。「頼りにしてるわよ、フィオ!」 ジェレミーも魔物を押さえ込みながら笑顔を浮かべて応じる。「感謝します、フィオさん。これで勝てますね!」♢遠吠えとレティアへの信頼 森の空気が静けさを取り戻し始めたその矢先、遠くの方から響き渡る魔物の雄叫びが聞こえた。それはまるで戦いが始まる合図のようであり、一行の注意を引き付けた。その音を
フィオもその言葉に続けて、レティアの提案に乗るように明るく答えた。「うん。それでいいよ。久しぶりの魔法を頑張っちゃおーっと! フルーツタルトのためね♪」 その無邪気な言葉に、フィオがだんだんとレティアに似てきている様子が伺えた。 ジェレミーは控えめに言葉を紡ぎながらも、目にはすでにやる気が燃え上がっているのが見えた。「それは助かりますね。復帰後の第一戦目ですし……ご迷惑をお掛けするかもしれませんが、よろしくお願いします。」♢討伐開始とルーシー、フィオの目標「さっ。始めるよぅ〜♪」 その声と同時にレティアの姿がスッと消えたかと思うと、『ドサッ!……ドサッ!』という重量のあるものが地面に倒れる音が森全体に響き渡る。音の正体は討伐された魔物だった。 一方、その勢いに触発されたルーシーも剣を構えながら、二人に声をかけた。「……れ、レティーに負けてられないわね。行くわよ!」 彼女の顔には闘志が宿り、その言葉には仲間たちを奮い立たせようとする力が感じられた。 そんなルーシーの姿を見て、フィオは少し微笑みながら問いかけた。「ルーシーは、何か食べたいものあるの?」 ルーシーはふと考え込み、少し照れたような笑顔を浮かべて答えた。「ぱ、パフェとか食べてみたいかなぁ……ケーキも食べてみたいし……まっ、無理しない程度に頑張ろ。」 彼女もまた、完全にレティアのペースに乗せられている様子だった。♢レティアの進化する討伐スタイル その頃、レティアは体を動かすために虹色の能力でラクに魔物を倒すのではなく、自分で虹色の能力を活かして剣を作り出して戦いに挑んでいた。「るんっ♪ るーんっ♪ みーつけたぁ♪ えいっ♪ とぉーうっ!」 彼女の軽快な声が響く中、手元に輝く虹色の剣が魔物を次々と切り裂いていく。剣が振られるたびに空中に鮮やかな光
フィオが恐る恐る呟く。その視線はノクスの銀色に輝く瞳と鋭利な牙に向けられていた。彼女の背筋には冷たい汗が流れている。 一方のジェレミーも微笑みを浮かべる余裕などなく、強張った表情で呟いた。彼の声は震え、その驚きを隠しきれない。「信じられません……このような存在が懐いているとは……。」 ルーシーは怯えるフィオとジェレミーに目をやり、軽く肩をすくめながら苦笑いを浮かべた。「慣れればかわいいと思えるかもよ。ほら、レティーはあんなに余裕で接してるでしょ? まあ……わたしにはムリだけどね。あはは……。」 その軽妙な言葉が少し場の空気を和らげるように響いたが、ノクスとシャドウパピーズの圧倒的な存在感は、まだフィオとジェレミーの背筋を硬直させたままだった。だが、その緊張の中でもレティアは天真爛漫な笑顔を浮かべ、ノクスの巨大な頭を何のためらいもなく撫でていた。 怯えるフィオとジェレミーを横目に、ルーシーは再び苦笑いしながら呟いた。「ほんと、レティーって……すごい子よね。」♢受け入れの兆しと獲物への不満 こうして少しずつ場が落ち着き始める中、レティアの柔らかい態度が仲間たちの緊張を解きほぐしていくように見えた。森の木々の間を吹き抜ける風が、彼らの頬を優しく撫でる。 ジェレミーはノクスとシャドウパピーズの圧倒的な威圧感に圧倒されながらも、なんとか気持ちを奮い立たせるように自分自身に言い聞かせるような声で呟いた。彼の声はまだかすかに震えているが、その中には前向きな姿勢が感じられる。「ま、まあ……仲間ということであれば……心強いですかね。」 その言葉には怯えが滲んでいたものの、彼自身の中で必死にポジティブな面を探そうとしている様子が感じられる。彼の表情には、葛藤と、そしてわずかな希望が浮かんでいた。 続けて、フィオもジェレミーの言葉に共感するかのように頷きながら震える声で答
その間もレティアはニコニコと笑顔を浮かべ、まるで自分の力をひけらかすこともなく当たり前のように話していた。だが、その使役獣たちがすでに討伐を進めているという状況に、フィオは少し唖然とした様子でため息を漏らした。「もう……ほんとレティーちゃんって……いろんな意味で手に負えないわね♪」「さすが、全職業の適性をもっているレティア様らしいですね。」 嬉しそうに呟くジェレミー。彼の声には、レティアへの尊敬がにじみ出ていた。♢ノクスとシャドウパピーズ、影からの出現「そっかぁ。ジェレミーに紹介してないよね。ノクス、シャドウパピーズきてー。」 レティアが親しげな声で語りかけたその瞬間、彼女の影が揺れ動き始めた。影が膨らみ、そこから次々と飛び出してくる巨大な狼型の魔物と狼の最強種の群れ。その異様な光景に周囲の空気が一変した。森の鳥たちのさえずりが止み、静寂が訪れる。 最初に姿を現したのは、漆黒の毛並みに紫の模様を纏ったノクス。その巨大な体は地面に影を落とし、一帯に圧倒的な威圧感をもたらした。その毛並みは夜闇に溶け込むかのように深く、紫の模様が妖しく輝いている。銀色に輝く瞳が一行を鋭く射抜き、どんな隠れた敵も見逃さないという冷酷な輝きを宿していた。 剣のように鋭い牙が、わずかに覗き、その口元から漏れる低い唸り声は森全体に響き渡る。足元からは瘴気が揺らめきながら漂い、その触れた枝葉は瞬く間に枯れ果て、まるで生命そのものを奪われたかのようだった。枯れた葉が、カサカサと音を立てて地面に落ちる。 続いて現れたのは――ノクスが従えるシャドウパピーズの群れ。狼種の中でも最強とされるその存在は、ただ佇むだけで周囲に圧倒的な恐怖を植え付ける。彼らの存在が、森の空気を重くする。 金色の瞳が暗闇の中で鋭い光を放ち、獲物を捉える目つきには、容赦なき狩人の執念が宿る。漆黒の毛並みに包まれたその巨大な体は、大型犬すらはるかに凌駕し、一群となって動くたびに周囲の空気を震わせた。地面が、彼らの足音で微かに揺れる。 牙と爪の鋭さは、見る者に本能的な恐怖を刻み込む。唸り声